この記事に辿りついた方の多くは「映画ガチ勢」もしくは「映画ビギナー」だと推測しています。
「映画ガチ勢」の方は「映画を今よりもっと楽しみたい!」と思っていることでしょう。
逆にまだ映画鑑賞にそれほど目覚めていない「映画ビギナー」の方は「映画鑑賞って何が面白いの?」くらいに思っているかもしれません。
今回は、映画鑑賞を今よりもっと楽しめるようになるための筆者なりの「映画の楽しみ方」を紹介します。
初級編・中級編・上級編に分けて紹介しますので、皆様の気に入った楽しみ方を実践してみてください。
それではさっそくいきましょう。
・これから映画を趣味にしたいと思っている人(初級編)
・今よりもっと映画を楽しみたい人(中級編・上級編)
初級編
何も考えずに映像を楽しむ
作中のアクションシーン、舞台となっている街の景観、主人公たちの恋愛模様、ホラー映画における恐怖映像などなど。
海外に行ったことのない人でもその国の街並みや文化に触れられるのは良いですよね。
ストーリーや時代背景、物語の伏線など、小難しいことは考えずに、画面に映っているものを見てそのまま楽しむのも全然ありです。
いわゆる「考えるな、感じろ!」です。
音楽を楽しむ
ストーリーだけを楽しむのであれば、なにも映画である必要はありません。
小説でもいいし、漫画でもいいし、近年だと「オーディオブック」という「聴く読書」も普及してきています。
しかし、映画では何と言っても音楽という最高のスパイスが効いています。
ミュージカル映画のように音楽が単なるスパイスではなく、むしろそっちがメインになっているような作品もあります。
・ファンタジア(1940年)
・サウンド・オブ・ミュージック(1965年)
・ラ・ラ・ランド(2016年)
ファッションを楽しむ
アカデミー賞の部門で「衣装デザイン賞」ってありますよね。
次々とオシャレなファッションが登場する映画ってビジュアル面で楽しめますよね。
筆者自身は普段UNIQLOばかり着ていてファッションにあまり関心がありませんが、それでもオシャレなファッションが映える作品は好きです。
やっぱり目の保養になりますよね。
・ゴーストワールド(2001年)
・プラダを着た悪魔(2006年)
・クルエラ(2021年)
ディズニー映画を楽しむ
ディズニーランドには頻繁に行くけど、元となっているディズニー映画を観ていない人、意外といませんか?
そんなのもったいないです。
ディズニー映画を観れば、ディズニーランドも今より何倍も楽しめるはずです。
「トイ・ストーリー」とか「アナと雪の女王」みたいな比較的近年の作品は観ている人が多いかもしれません。
しかし、1930年代~1950年代あたりの古典作品を観ていない人は意外と多いのでは?
ぜひ観てみてください。
数十年も前の作品なので現代と価値観が少しズレているかもしれません。
でも、それが逆に面白かったりもします。
「この時代はこのような考え方が世の中で受け入れられたのか…」とジェネレーションギャップを感じることもあるでしょう。
・白雪姫(1937年)
・ピノキオ(1940年)
・シンデレラ(1950年)
主人公の人生を追体験する
映画の主人公は「どこにでもいそうな人」から「各分野の一流の人間」など様々です。
自分とは生きている世界線が異なる主人公であっても、そのキャラクターの人生を追体験することで「こういう場合、自分だったらどのように行動するかな?」と想像して楽しむことができます。
筆者は最近公開中の映画「オッペンハイマー」を観ましたが、まさにこの作品は主人公オッペンハイマーの人生を追体験する作品と言っても過言ではありません。
令和6年4月現在、公開中ですのでぜひ予習をしたうえで楽しんでみてください。
中級編
ジャンル関係なく楽しむ
みなさん自分の好きなジャンルがあるかと思います。
アクション、SF、コメディ、ドキュメンタリー、サメ映画等々。
ちなみに筆者はホラーが好きです。
でも気づいたら観る作品が好きなジャンルに偏っていませんか?
そんなときはあえて好きでもないジャンルに手を伸ばしてみるのもアリです。
そうすることで今まで避けてきた名作に出会うことができ、趣味の幅も広がるかもしれません。
伏線を楽しむ
伏線が豊富に散りばめられている作品はラストでテンション上がりますよね。
「あの時のあれはこういう意味だったのか!」と鑑賞中に感じていたモヤモヤがスッキリすることがあります。
しかし、伏線は集中して観ていないとなかなか気づきません。
おそらく制作側も、極力バレないようにそれとなく伏線を張っていると思います。
伏線を存分に楽しむためには、作中のシーンで違和感を抱いたとき、軽く受け流すのではなく「ん?今のシーンは何の意味があるの?」と注意深く気を張ることも必要です。
そのため、ちょっとした集中力が必要です。
歴史的背景を調べる
第二次世界大戦や冷戦を背景として映画、またアメリカンニューシネマのように1960年代のアメリカにおけるベトナム戦争や公民権運動、カウンターカルチャーを背景とした映画があります。
これらの作品は当時の時代背景を色濃く反映しております。
こういった作品を十二分に楽しむためには時代背景に関する勉強が必要です。
筆者はもともと学生の頃から社会科の授業が特段好きではありませんでした。
でも、映画を存分に楽しむという目的で歴史を勉強するようになりました。
社会科の授業があまり好きではありませんでしたが、映画鑑賞という趣味と結びつけることで非常に興味を持つようになりました。
それにやっぱり新しい知識を入れるのは面白いですよね。
感想をシネマダイアリーなどに記録する
「考察」ではなく「感想」です。
感想を誰にも見せないのであれば、そんなに肩肘はらずに思ったことをそのまま書けばいいんです。
感想を書くのは楽しいですよ。
単に観て終わりだと、その作品を振り返るタイミングがあまりないんです。
そうすると観た作品をすぐに忘れてしまうことがあります。
でも、感想を書いているときは作品の内容を振り返りながら書いていますので、頭の中で作品をいわゆる「反芻(はんすう)」することができます。
それにより、観た作品の内容をより深く理解することができます。
感想を発信する
ただ記録するのではなく、SNS等活用して外部に発信します。
筆者もこのブログやX(旧Twitter)で観た作品の感想を発信しています。
筆者の場合、もはや発信することありきで映画を観ているので、「この部分はオススメポイントとして把握しておこう」などと考えながら映画を観ています。
感想などをXで発信することでフォロワーの方々に共感をいただけることもあって楽しいです。
しかし、ただの感想と侮ることなく細心の注意を払うことも重要です。
例えば戦争等センシティブな内容が絡む映画は「個人的な感想なんだから何を言ってもいいよ」と思ったことを安易に発信すると炎上することがあります。
また、他人が個人的に思った感想に対して牙をむくような人もいます。
その点だけは肝に銘じておきましょう。
皮肉でもなんでもなく「世の中色んな考え方の人がいる」ということを念頭に置いて発信しましょう。
好きな監督や俳優を楽しむ
みなさん好きな監督や俳優はいますか?
筆者はクエンティン・タランティーノ監督やアカデミー女優エマ・ストーンが好きです。
自分の好きなジャンルなど関係なく、好きな監督・俳優縛りで映画を観ていくのも楽しいです。
その過程で今まで避けてきたジャンルの映画を好きになるかもしれません。
余談ですが、先日「ローマの休日」を観たこともあり、オードリー・ヘプバーンの大ファンになりました。
今度、「午前十時の映画祭」で「ティファニーで朝食を」を観に行こうと思います。
このようにファンになった俳優つながりで今まで観ようとも思わなかった作品に出会うことがあります。
また、長年第一線で活躍している俳優もいます。
彼ら彼女らはカメレオンのごとく様々な役をこなしています。
そんな俳優たちの作品ごとの変遷を楽しむのもいいと思います。
私の好きな俳優・ロバート・デ・ニーロなども役の幅が広くて面白いです。
古典作品を楽しむ
例えば白黒映画を嫌う人もいると思います。
白黒映画は近年の作品と比べると画質が悪く、また音声も聞き取りづらい作品があります。
例えば黒澤明監督の「七人の侍」は配信で観ましたがちょっとセリフが聞き取りづらかったです。
しかし、何十年もの間愛され続ける作品というのはピカリと光るモノがあるはずです。
単なる流行りものではなく、いつの時代にも通用する普遍的なことを教えてくれる作品もあります。
ぜひ古典作品と思って侮らずに試しに観てみてください。
上級編
胸糞悪い映画を楽しむ
胸糞悪い映画が好きな人は意外とたくさんいます。
筆者も大好きです。
X(旧Twitter)で以下のような本を紹介するとかなり反響いただけました。
しかし、胸糞悪い・後味悪い映画を好きでもない人が安易に観てしまうと、精神に異常をきたしてしまう恐れがあります。
観てしまった後、すっかり元気をなくしてしまい食事も喉を通らないといったことになってしまうと、せっかくの楽しい映画鑑賞が台無しです。
私から言えることは一つだけです。
「好きな人だけ観ましょう!」
考察する
これは難度の高い楽しみ方だと思っています。
そもそも考察って何でしょうね?
「考察」の意味を検索すると「物事を明らかにするためによく考え調べること」などと出てきます。
「感想」は思ったことを言えばいいだけなんでハードル低いですよね。
筆者は、考察においては一定の正解があるものと考えます。
つまり、考察だと国語の試験問題のように一定の正解があり、解釈を間違えると「不正解」となります。
そう考えると、映画の作り手がどのような意図で当該作品を作ったのかを明らかにする必要があります。
そのためには、作品の歴史的背景・監督の考え方・作中の起承転結、セリフ、描写等を総合的に勘案したうえで作品を読み解いていく必要があります。
趣味でやるにはかなり難しいことだと思います。
私も考察をすることがありますが、作品を観たあとA4用紙に書きなぐりながら情報を整理しつつ考察しています。
映画の情報を文章にせず頭の中だけで整理するのは至難の業だと思います(そんなことができるのはコナン君くらいでしょう)。
でも、考察が好きな人にとってはこれ以上に楽しい作業はないと思いますので、ぜひ試してみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
映画鑑賞って深堀すれば意外と奥が深いんですよ。
筆者自身も映画の楽しみ方をまだまだ模索中です。
「こんな楽しみ方もあるよ」というご意見があればコメントなどで教えていただければ幸いです。
今日もご愛読いただきありがとうございました。
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